古川有の思惟

古川有(ふるかわ ゆう)の思惟

日々思うことの記録

エリート女子高生が目指す医師という職業

東京医大の件。
毎日どっかしらのニュースで見かける。
そして、標題の記事。
大学病院の医局に入り、激務を死ぬような思いでこなしても、その場所で心身ともに満たされた豊かな生活を送れている女性医師は多くないだろうと思う。
なぜなら、家庭を大事に過ごしたい人は上へはいけないから(もちろん本人たちは百も承知のことだろう)。

自分は文系学部を卒業し、社会人10年目に社内で理転。
そこからはキャリアが一気に開けて、現在は自分でも「よくここまで来たな」と思えるポジションで仕事をしている。
理転のチャンスをくれた当時の勤務先には今でも心から感謝している。
ただ、チャンスをものにできたのは、文系学部で日々鍛えられた論文を書く力があってこそだったから、大学時代の努力は報われたのだと思う。さらに、理転後のキャリアの中では、常に技術分野での仕事をしていたわけではなく、すすんで経営(マネジメント)分野に関わるようにしてきたことも、視野が広がり知識も増え、今の仕事に大変役に立っている。

同僚たちは女性も男性もなく、同じように高いスキルが必要とされる仕事をしている。当然のように、女性の方が時短や休暇などの制度を使うことは多いが、そのしわ寄せにピリピリするほど人手不足の職場でないことが幸いである。
だから、忙しくても皆誰かに対してネガティブな感情を持たないで済んでいるのだ。

つまり、何が言いたいのかというと、エリート女子高生は、もっともっとアンテナを広く張って何が何でも医師を目指すのではなく、他の道もあるのだということを知ってほしい。
人命を救うという高い志を持った方が大半だとは思うが、医師になることで将来的に安定した雇用と収入(+ステータス)を得られると考えて目指す方も少なくはないのではないだろうか。

今はネットで情報が得られる時代。
でも、身近な誰か(できれば医師以外の年長者)から、いっぱい話を聞いてほしい。
そして、自分の適性を見極め、得意とする分野に進むことが、将来の人生の満足度を高めることを理解してほしい。